”甘すぎない大人の味”で選んだ東京大福の新定番6選

差し入れにも使える! 庶民派から名士のご贔屓まで、個性豊かな東京大福をピックアップ

edit&text_Marina Haga / photo_Yumiko Yokota

 

日本の誇る定番スイーツのひとつ、大福。

打ち粉のまぶし方や餡の塩梅、餅のテクスチャーなど大福のカラーも千差万別で、つぶあんorこしあん論争然り、並べてみると大福の世界は奥深く、多くの選択肢の中から自分好みを探すのは実は困難だったりします。

そこで今回は、「東京中の大福を食べ歩いている」という某ITカンパニーK社長のリコメンドのもと、東京の定番大福6つにフォーカス。東京大福マニアが太鼓判を押すお店の人気大福は、お店のグーグルマップを参考に、確実にゲットできる午前中を狙って行ってみましょう。

 

 

 

1. 群林堂(護国寺)の豆大福

買ったらすぐに食べるのがコツ。ストリートフード的大福

1916年創業の老舗和菓子店。毎朝できる大行列が有名で、昼頃には売り切れてしまうこともしばしば。この力強い見た目通り、濃厚な餡と北海道富良産の赤えんどう豆の塩気、ソフトな餅がそれぞれ存在感をぶつけ合い、個性としてまとまっています。買ったらすぐに食べないと硬くなってしまう点や贈答用以外は、紙に直接包んで持ち帰るスタイルもまさにファストフードな仕様。

皮が薄めで、テクスチャーがしっかりした餡がたっぷりと詰め込まれています。
【大福データ】(※編集部調べ)
価格:¥160+TAX
直径:約5.5cm
高さ:約4.5cm
重さ:約89g


営業時間:9:30〜売り切れ次第終了 日曜休
TEL:03-3941-8281

 

 

2. 浅田屋(溜池山王)の豆大福

ぷくっと飛び出た赤えんどう豆は、すでにアートの領域

今やオフィス街となった溜池山王の地で、100年以上前から続く地元の老舗名店。透明感があり密度の濃い餅は、季節によってつき方を変えているという店主のこだわりの賜物。約120gと今回のエントリーの中で最も重量感があり、コシと弾力が餅好きからも支持されています。打ち粉が少なめなので、食べるときに粉をこぼすという、大福特有の心配も無用です。

餡は約5時間程度煮込んだ北海道小豆を使用。餡がしっかり甘いので苦味のある珈琲と合わせる人もいるとのこと。
【大福データ】 (※編集部調べ)
価格:¥190+TAX
直径:約6cm
高さ:約3.5cm
重さ:約120g


営業時間:9:00~20:00 土日祝休
TEL:03-3583-3445

 

 

3. 目黒東山 菓匠 雅庵(中目黒本店)の豆大福

新旧の要素を折衷した中目黒発のオルタナ大福

2004年創業と和菓子店の中では新参者ですが、お土産の定番として定評がある中目黒の「雅庵」。わらび餅で知られていますが、実は大福が隠れ定番。餅は固めで昔風でありながら、水気のある餡が現代的。厚めな餅とゴツゴツしたえんどう豆など、食感を楽しむことができる大福です。

赤えんどう豆の塩味と素材の味を活かしたつぶ餡の甘さのバランスが上等。
【大福データ】 (※編集部調べ)
価格:¥180+TAX
直径:約5.3cm
高さ:約3.7cm
重さ:約77g


営業時間:10:00~18:00(日曜10:00~17:00)
TEL:03-3793-1769

 

 

4. 岡埜栄泉(虎ノ門)の豆大福

ふっくら、そしてグラマラスな古典的風味

大正元年に創業して以来、初代松下勝重氏の味を守り続けている東京屈指の老舗店の、通称“福を呼ぶ大福”。その仕込みは、朝4時からスタートするとのことで、同じ餡を使う商品でも種類によって煮方や潰し方を変えているとのこと。ボリュームがあるにも関わらず、餅、赤えんどう豆の塩気、餡のトータルバランスに優れているのでペロリと食べられてしまいます。

しっかりした塩気が餡の甘味を引き立てます。
【大福データ】(※編集部調べ)
価格:¥230+TAX
直径:約6cm
高さ:約3.8cm
重さ:約111g


営業時間:9:00~17:00(日曜 9:00~17:00)
TEL:03-3793-1769

 

 

5. つる瀬(湯島店)の豆大福

自宅で炊いたあんこを彷彿させる、なじみやすい庶民派

湯島天神の近くに位置し、天神様にあやかったユニークなお菓子に定評がある1930年創業の「つる瀬」。餡のプチプチとした食感は、練り上げる際に小豆を潰しすぎないように感覚で仕上げているという職人技術によるもの。餅の割合いに対して、赤えんどう豆が多めに練りこまれているのもポイントです。

他と比べると色が薄めのこし餡は、一晩ざらめ蜜につけて一緒に寝かせたもので、ちょうどいい塩梅の甘さ。
【大福データ】(※編集部調べ) 
価格:¥180+TAX
直径:約3.2cm
高さ:約4cm
重さ:約68g


営業時間: 9:30~19:00(日曜祝日18:00) 月曜休
TEL:03-3833-851

 

 

6. 塩野(溜池山王)の豆大福

軟らかい餅に赤えんどう豆が透けるフェミニンな大福

昔から高級料亭が軒を連ねていた赤坂に1947年に創業した「塩野」。茶道家をはじめとする名士たちがご贔屓にしているお菓子ということもあり、ツルンとした外側や均等なサイズ感、餅に埋め込まれた透けて見える赤えんどう豆など、群を抜いて清楚なルックスをしているのが特徴。その女性的な印象とは裏腹に、豆のテクスチャーがしっかりしており、力強さも備えています。

厚めの餅の中には、粒子が細かくしっとりとしたこし餡がたっぷり入っています。
【大福データ】(※編集部調べ)
価格:¥250+TAX
直径:約5cm
高さ:約3.8cm
重さ:約78g


※現在仮店舗
営業時間: 9:30~19:00(日曜祝日18:00) 月曜休
TEL:03-3833-851

 

比べてみると同じものが二つとない大福ですが、すべてに共通しているのが“購入した日=賞味期限”だということ。これは大福の原料が、餅米・小豆・えんどう豆・塩をベースにしたシンプルでなものだからであり、正統派なお菓子ということも伺えます。

《編集後記》
自分の中の大福のイメージをいろんな意味でガラリと変えた今回の企画。“日本人は行列が好き”という皮肉な言葉もありますが、撮影用大福を求めて朝一から並びました。午後に行くと買えないという前情報に半信半疑になりながらも、実際行くとオープン直後の人盛りにビックリ。店舗によっては100年以上続く老舗もある中で、この流行り廃りのない定番品がずっと売れ続けている現象を見て、日本国民のスタンダードとして根付いていくというのはこういうことか、と腑に落ちました。(羽賀)