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新連載「MY DOUBLE STANDARD」
– スタイリスト 井田信之編 –

edit&text_Marina Haga / photo_Erina Takahashi

ファッション関係者、アーティストなど、自らのスタイルを持つ人たちが、自分にとって欠かせない定番をファッションアイテムと雑貨から2つピックアップして紹介する新連載「MY DOUBLE STANDARD(マイ ダブル・スタンダード)」。第1回目は、『EVERMADE.』はもちろん、ファッション雑誌やカタログなどで活躍中の井田信之さんが登場です。

 

 

01.大人になってようやく着る覚悟ができた[COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)]の“縮絨ジャケット” / 定番歴7年

(右から)[COMME des GARÇONS HOMME(コム デ ギャルソン・オム)]のジャケット
[BLACK COMME des GARCONS(ブラック コム デ ギャルソン)]のジャケット
「同素材のパンツでモードに着られることはもちろん、[Dickies (ディッキーズ)]で横ノリに合わせたり、[ENGINEERED GARMENTS(エンジニアド ガーメンツ)]のようなアメリカン・クローズ的な服でもいける万能ジャケットです」と井田さん。

「偉大なブランドだからこそ、“今はまだ着る時じゃない”という自分の中の意地みたいなものがあって、なかなか手がだせなかった」と、井田さんが語るように特別感を秘めている[COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)]のウエア。そんなブランドを14年前に手に取りその中で自分のスタイルとして定着してきたのが、アイコン的アイテムであったこちらのジャケットだったとのこと。

「素材を見れば[コム デ ギャルソン]のアイテムと分かるぐらいブランドのシンボルとなっている“縮絨ジャケット”に目が行きました。いわゆる“ギャルソン全開”なモードスタイルで着こなすよりも、アクの強いパンツやストリートっぽいコーディネイトが好きでよくやっていたのですが、当時はそんな合わせ方をしている人がなかなかいなくて……」

そんな井田さん独自のミックススタイルが、確信に変わったのはNYスナップで見た海外のファッションピープルたちの装いだったと言います。

「NYスナップで見た海外の人が、これまで僕がやっていたようなミックスしたスタイリングをしていたんですよね。『これ、俺の方が先にやっていたじゃん!』って自信がつきましたし、今でもそんなジャケットを使った振り幅のあるスタイリングを楽しんでいます」

 

 

02、中学1年生の時に確立した足元の定番[VANS(バンズ)]のスニーカー/ 定番歴20年


ストリートカルチャー全盛期に中学時代を過ごしたという井田さんが[バンズ]の洗礼を受けたのは中学1年生のとき。その頃から集めはじめたシューズは今では約40足にも及び、“Made in USA”企画からジャパンメイド、横ノリカルチャーとのコラボレーションに至るまで、あらゆるモデルをコレクションしていました。

「昔から、古着とモードを合わせたり、横ノリとモードを混ぜたりといくつかのテイストをミックスさせてスタイリングするのが好きで、そのスタイルの総仕上げに[バンズ]がちょうどよかったんです。今の時代だと、テイストを混ぜた折衷感のあるスタイルはあたり前になってしまいましたが、当時中学生ながらにきれいな服は着崩して、野暮ったい服は逆にきれいに着こなしたいという、時代に対するカウンター的な思いを持っていました。どのようにその自分の意思表示をしようかと思った時に、スケートをやっていたこともあり横ノリカルチャーの象徴である[バンズ]でポイントを置くのがしっくりきたんですよね」

OLD SKOOL(オールドスクール)』、『SK8-HI(スケートハイ)』が多いというラインナップの中から、特にお気に入りのシューズをピックアップ。
(右奥から2足)昔から好みに関わらず見つけたら買うようにしているというUSA企画。
(左奥中)スケーター、トニー・アルバとのコラボレーションモデル。
(左奥)Z-BOYSを題材に70年代の西海岸を描いた映画、『ロード・オブ・ドッグタウン』公開時に発売されたコラボレーションモデル。
(手前3足)最近、ジェイソン・ディルが履いているところを見てまた1足買い足したという「LAMPIN(ランピン) 」。

 

 


スタイリスト 井田信之さん
ファッション誌やカタログを中心にマルチに活躍する、双子スタイリストの兄。今回は[バンズ]を紹介いただいたが[コンバース]のコレクターとしても知られ、ローテクシューズの愛用率が高い。