あの人の定番温泉
—クリエイティブ業界編 —
Edit & text Yukihisa Takei / illustrateon_Yu Nagaba
今年の「BIGLOBE 温泉大賞」が決定! クリエイティブ界の温泉好きたちは、このランキングをどう見る? 業種もさまざまな5名のクリエイターのみなさんの定番温泉を聞きました。
さまざまなインターネットサービスを手がけているBIGLOBE(ビッグローブ)。そのBIGLOBEがもう10年以上続けている定番企画が、「みんなで選ぶ 温泉大賞」という番付式の温泉のアワードです。 これは「BIGLOBE旅行」と連携した企画で、日本の温泉好きの人々の投票によって、その年の人気温泉や温泉宿が発表されます。3月に発表された最新の「第11回 みんなで選ぶ温泉大賞」では、昨年の約2倍の48795票もの投票があったということで、名実ともに今の日本の人気温泉が分かる企画になっています。 今回『エバーメイド』では、このランキングを参考にしつつ、クリエイティブ業界の温泉好きで知られる方々5名にアンケートを実施。ややマニアックな視点からも、それぞれの定番温泉を切り取ります。
こちらが今年の「温泉地ランキング」。東日本と西日本を分けた相撲の番付風の発表もユニークです。
こちらは「旅館・ホテル部門」のランキング。「温泉地部門」と同じく東西日本を分けて紹介しています。
ちなみに「温泉地部門」の東日本番付の横綱は群馬県の「草津温泉」。草津はこのアワード始まって以来11年連続の横綱で、今の相撲に例えれば白鵬級の不動の強さを誇っています。西日本の横綱には大分県の「別府温泉郷」がランクイン。 こちらも4年連続ということで、地域の様々な取り組みも功を奏したと言えそう。
「旅館・ホテル部門」では東は栃木県の「鬼怒川温泉 あさや」、西は大分・別府温泉郷の「杉乃井ホテル」がともに2年連続の横綱の栄冠に。また、今年新設されたという「外国人観光客にオススメの旅館・ホテル部門」では、敷地内に蒸し風呂がある鹿児島県の「指宿白水館」が1位になり、一気に注目が。
その他「旅館・ホテル部門」の中でも泉質、料理などの細かい項目での満足度ランキングや、「20室以下」の旅館・ホテルランキングなども発表されていて、見応えがあります。
今回は、このランキングも参考にしつつ、温泉事情に詳しい5名のクリエイターの方々に、それぞれの定番温泉や、ランキングの中で注目の温泉や宿について聞いてみました。
ご意見番1 梶原由景さん
クリエイティブ・コンサルティングファーム「LOWERCASE」代表。ブランディングやコンサルテーションを多く手掛ける一方、吉田カバンの[PORTER]や、[SEIKO]の「PRPSPEX」などコラボレーションやプロデュースワークを行う。2015年11月には藤原ヒロシさんとコンテンツサイト「Ring of Colour」を立ち上げて、記事も公開中。奥様が大の温泉好きで、最近梶原さんが車の免許を取得したことから、温泉地に行くことが増えている。
Q1.「長年の定番温泉」を教えてください。
別府温泉郷(大分)/ 長年の定番、と言えるほどではないのですが、実家が大分にあるため、帰省時など友人と別府に行ったりはしました。
Q2.「最近の新定番温泉」を教えてください。
箱根温泉郷(神奈川) / 最近クルマの免許を取ってクルマも買ったので、ドライブがてら箱根の温泉に一泊で行くことが多いです。
Q3.「自分の定番となる温泉」とは?
目的地に行くまでの旅行感、温泉地としての雰囲気(観光然とした風景は苦手)、そしてホテル・旅館での滞在の快適さを重要視します。
Q4. 今年の「BIGLOBE 温泉大賞」のランキングを見て。
「温泉大賞」のことは知りませんでしたが、嫁が温泉好きで台湾でもタクシーをチャーターして温泉に行ったほどで、子供も同行できる手軽な気晴らしとして最近リクエストが多いです。温泉旅行は「車で行く小旅行」であることが多いので、もっと東京近郊にフォーカスしたランキングもあれば嬉しいかも。
今まではもっぱら「箱根」でしたが、ここまで高評価であれば一位の「草津温泉」や四位の「伊香保温泉」も挑戦したい気がします。この辺までならなんとか車で行けそう。(草津は遠いので敬遠していて、伊香保温泉は全く意識してなかったので今後チェックしてみようかと)
いまのところ僕にとって「温泉=ロングドライブ」なんですが、実はこの夏、帰省のついでに初めて湯布院に行きます。作られたリゾート感に抵抗があり、あまり食指が動かなかったんですが、今やスタンダードかなと思い満を持して乗り込みます(笑)。これも嫁のリクエストなんですけど。あと以前は大分に帰省した際は、フェリーで四国に渡り友人と香川にうどんを食べに行くのが恒例でした。何度か松山市にも立ち寄ったりしたのですが「道後温泉」は未経験。今度行くことがあれば寄ってみたい気も。
ホテル、旅館部門では「杉乃井ホテル」が西の一位とは意外でした(笑)。そういえば最近従業員ケアのために長期休業するとかいうニュースも目にしましたし、往時の存在感を取り戻した感じでしょうか。大分ではTVCMもよく流れていて子供の頃から知っていたホテルなのでちょっと嬉しいかも。
箱根は今までは「ハイアット リージェンシー」一択でしたが、他にも色々行ってみようと近々に箱根湯本の宿に出かける予定です。子供がいるとどうしてもホテル内での食事になりがちで、特にホスピタリティ高く、朝食が美味しいところを選んでいます。「強羅 花扇」は何度も前を通っていますし、ここにランクインしてる箱根のホテルも今後行ってみようかと思います。
なので今度は満足度ランキングの料理部門ももっと件数掲載してほしいですね。「朝食部門」とか、いろんな角度で掘り下げてもらうと有難いかも。
ご意見番2 鈴木修司さん(BEAMS)
BEAMS JAPANバイヤー。メンズカジュアルウェア、そして“fennica”の前身である“BEAMS MODERN LIVING”の店舗スタッフ、その後に“fennica”のMD、 “B:MING LIFE STORE”のバイヤーを担当、現在は“BEAMS JAPAN”のバイヤーに従事。バイヤーとして日本全国を歩き回っているため、温泉に詳しくなり、BEAMSの中でも随一の温泉マニアに。
Q1.「長年の定番温泉」を教えてください。
別府温泉(大分県) / 私が企画や仕入れを担当するビームスジャパンで“BEAMS EYE on BEPPU”という別府市の名産品開発事業を請け負い、それで別府を何度も訪れ、地元民の方々が愛する温泉(公衆浴場)の良さを少しでも理解出来たので。
Q2.「最近の新定番温泉」を教えてください。
飯坂温泉(福島県)/ こちらも上記と同じで仕事で福島県に関わることがあり、その時に飯坂温泉を取り上げました。その時に何度か温泉に浸かったら、どの浴場も僕の好みのお湯でした。別府と同じく公衆浴場が街中に何軒もあり、地元民に愛されているのがとても素敵だなと思いました。
Q3.「自分の定番となる温泉」とは?
観光地の温泉や温泉宿も魅力的ですが、地元に方から愛される温泉に惹かれます。いわゆる温泉の公衆浴場ですね。これ以上ない贅沢なものだなあと思います。
Q4. 今年の「BIGLOBE 温泉大賞」のランキングを見て。
番付け表が面白いです。わかり易い。ランキングに入っている中で行ったことがあるのは「箱根温泉郷」、「熱海温泉」、「別府温泉郷」、「有馬温泉」、「下呂温泉」、「湯布院温泉」、「道後温泉」。熱海は自宅から近くて身近で(鎌倉在住)、有馬温泉は立地(六甲山の麓)と泉質が好みで、道後は別府や飯坂温泉と同じで公衆浴場なので好きです。
「登別温泉」と「乳頭温泉」は知人友人から良いと聞いていますし、「白浜温泉」は実家(三重県)から近くなのに行ったことがないので行ってみたいですね。
ご意見番3 . 今泉悠さん
アイウェアブランド[ayame]デザイナー。茨城県生まれ。2010年に日本のアイウェアブランド[アヤメ]を設立。アイウェア界、ファッション界の中でも指折りの温泉好きとして知られ、全国の温泉地を訪れている。http://www.ayame-id.jp
Q1.「長年の定番温泉」を教えてください。
元泉館(栃木県那須塩原) / 大出館(栃木県那須塩原) / はやぶさ温泉(山梨県山梨市) / 法師温泉長寿館(群馬県利根郡)/ こごめの湯(静岡県熱海市) / 観音温泉(静岡県泉奥下田)
Q2.「最近の新定番温泉」を教えてください。
霧島ホテル(鹿児島県霧島市) / ふふ(熱海&河口湖)
Q3.「自分の定番となる温泉」とは?
ご褒美・癒し・治療・ベホイミ。
Q4. 今年の「BIGLOBE 温泉大賞」のランキングを見て。
「満足度ランキング」のカテゴリー別なのが分かりやすく、それでいて的確で素晴らしいと思いました。今後参考にしたいです。去年、「有馬グランドホテル」に泊まりました。箱根・強羅温泉の「花扇」は是非とも家族にプレゼントしたいところです。
ご意見番4. 中村ケンゴさん(美術家)
美術家。現代社会を表象するモチーフから、美術史上のさまざまなイメージまでをも用いたユニークな絵画を制作。国内外の展覧会、アートフェアに多数出品。ファッションブランドとのコラボレーションから、展覧会、シンポジウムなど様々なアートプロジェクトの企画運営にもあたる。共編著『20世紀末・日本の美術ーそれぞれの作家の視点から』(アートダイバー)。アートと温泉を組み合わせた総合文化活動<湯道>主宰メンバー(https://yudo-arts.tumblr.com)。http://www.nakamurakengo.com
Q1.「長年の定番温泉」を教えてください。
別府温泉郷(大分県)
Q2.「最近の新定番温泉」を教えてください。
清津峡温泉(新潟)/ 新潟の秘湯!大地の芸術祭 妻有アートトリエンナーレに行った際に入湯します。
Q3.「自分の定番となる温泉」とは?
温泉そのものだけではなく、その温泉のある地域の文化(歴史、芸術、食事)も含めて魅力のあるところ。温泉に行く時は、その地域の芸術祭がある期間に合わせることが多いです。大地から湧き上がる温泉のパワーと、最新のアートの組み合わせは、身体にも脳にもスペシャルな安らぎと刺激を同時に与えてくれます。
Q4. 今年の「BIGLOBE 温泉大賞」のランキングを見て。
全国に無数にある温泉の中から、まずは安心して過ごせるところをざっくりと知るにはいいのではないでしょうか。ランキングの中でも馴染み深いのは「熱海温泉」と「別府温泉郷」。 「熱海温泉」では日本の三大温泉の一つとも言われる源泉のパワーを感じつつ、数多くの文人墨客が訪れたこの地で、国宝、文化財を数多く所蔵している「MOA美術館」、ブルーノ・タウトが設計した国内唯一の建築、旧日向別邸「熱海の家」などを見てまわるのも趣があります。
「別府温泉郷」は最近では、『混浴温泉世界』などの様々な芸術祭、アートイベントが開催されており、戦禍を受けなかった古い街並と温泉街を歩きながら、湧出量世界第二位という大地のパワーと、最新のアートを同時に触れることができます。別府の観海寺温泉にある「杉乃井ホテル」は、大所帯の宴会から、
行ってみたいと思っていたのは、道後温泉(愛媛県)の「道後舘」。黒川紀章の建築と合わせて見てみたい。また、道後の街で開催される芸術祭「道後オンセナート」と合わせて行ってみたいですね。
ご意見番5. Masami Yanagidaさん
イラストレーター。ポップで可愛いイラストが国内、海外のセレブリティからも人気を博したことで人気が爆発。さまざまな企業とのコラボレーションや、グッズも大人気で、独特の言い回しのインスタグラム投稿でも話題を呼んでいる。自称「“栄養バランスは地球バランス”。マヤカシ色な絵に連れ去られながら旅する絵描き」。大の温泉好きで、独自目線で自分のお気に入り温泉を探している。
Q1.「長年の定番温泉」を教えてください。
松代温泉 & 地獄谷温泉(長野県 / 渋温泉周辺)
秘境は地球のエロス。訳アリ旅情にご褒美は結界のない湯水のプレゼント。
「松代温泉」は、「新潟トリエンナーレ」の余韻に留まるところを忘れた末に、タクシーを乗り継いで辿り着いた真夜中の松代温泉。寝醒めのモーニングに入った森なのか泉なのか、結界のない景色に、白い柔肌のグラマラス。不意に入浴してきた白ヘビとの混浴の時間が寝不足への朝モーニングに、ご褒美を囁いてくれました。それが、地球のエロス。温泉との出逢いかもしれない。
「地獄谷温泉」のほとりで個展をした一週間。ともすれば何もする事もないと心配される空間に用意されたのは、一週間の生活場所と温泉街に生活する人達だけが入る生活浴場のカギのありか。メニューが何もない居酒屋の店主は根曲がり竹掘り名人。連れて行かれるのは、山奥のさらに山奥。出逢えるのはカモシカのパヒューム。高校時代はヴィジュアル系だったと言いはる商店の娘。誰にも育ち盛りを見せたくなかったから、朝5時に起きて風呂に入っていたと囁く。
「渋温泉」周辺の古くからな温泉街の住人の家には、当たり前のように風呂はない。地区ごとに湯気が湧きあがる小屋が、エブリバディーの癒しのお風呂。源泉かけ流しで、水で薄めて、パヒュームな温度を咲かせるには、約30分な野生温泉。おそらく一番風呂でお湯を薄めていたであろう、ヴィジュアル系の冬は、さぞかしストロングであっただろう。そんな、古くからの温泉街の人達の日常呼吸の囁きを知っている住人の浴場に抱かれ放題だった一週間。これもまた贅沢な温泉のメロディアス。
Q2.「最近の新定番温泉」を教えてください。
菊池渓谷温泉 「岩蔵」(熊本県) 入浴料 500円
壁湯天然洞窟温泉「福元屋」(大分県九重町) 入浴料 300円
秘境のエロスに野生のメロディアス。ヤナギダのもっともエクスタシーな季節。それは6月。
ステージでダンサブルするのは、ホタル達の求愛イルミネーション。そんな季節風に抱かれたい、ヤナギダ的温泉新定番は渓谷の露天風呂でホタルのダンサブル。
真夏のプレリュードに渓谷で蛍の求愛イルミネーションに抱かれながらクライマックス。ヤナギダ的新定番は秘境の渓谷でホタルのクライマックス。「壁湯天然洞窟温泉」は、300年前に川を仕切って浴槽にした露天風呂。薄暗い洞窟に照らされるホタルの求愛イルミネーションが官能レボリューション満開。特に米沢の「小野川温泉」は、ゲンジ、ヘイケ、ヒメ蛍と言うホタル界のスター達が一度に求愛する、天国へまっしぐらなクライマックス。
Q3.「自分の定番となる温泉」とは?
セレブでもない、日常の呼吸で入れる値段の秘境温泉のフルスイング。地球のエロスに点滴されながら、夢想してみたいです。
Q4. 今年の「BIGLOBE 温泉大賞」のランキングを見て。
ランキングで行ったことあるところで、日常をサイクリングしたいと思ったのは「道後温泉」。
他にもイロイロパヒュームですが、生活空間にある極楽がメロディアスしてました。
BIGLOBEの国内宿泊予約アプリ「旅比較ねっと」がリニューアル。
希望する宿のキャンセルや、予約済み宿の“さらに安いプラン”が通知される?
今回紹介した「BIGLOBE 温泉大賞」は、旅行予約サイトの「BIGLOBE旅行」の企画のひとつ。同社の国内宿泊予約アプリの「旅比較ねっと」は、エクスペディアやBooking.comなどとも提携し、3月26日にリニューアル。合計18社から提供される情報の一括検索が可能になっています。(ちなみにこのアプリはiPhone版が150万ダウンロード、Android版も100万ダウンロード!)
[旅比較ねっとの提携オンライン旅行サイト] 楽天トラベル、じゃらんnet、JTB、るるぶトラベル、一休.com、近畿日本ツーリスト、日本旅行、阪急交通社、名鉄観光、ゆこゆこネット、ベストリザーブ・宿ぷらざ、温泉ぱらだいす、MAPPLEトラベル、らくだ倶楽部、dトラベル、宿公式サイト、Booking.com、エクスペディア、Relux(計18社)
このアプリが3月26日にリニューアルし、「希望する宿のキャンセル通知」と「予約済みの宿のさらに安いプラン」が通知されるということ。
今回の「定番温泉」でクリエイターがリコメンドした温泉地や温泉宿で気になったところがあれば、まずはこのアプリから試してみては?
「旅比較ねっと」の説明サイト
https://tabihikaku.net
App Storeのダウンロードはこちらから
https://itunes.apple.com/jp/app/id393059669