連載「MY DOUBLE STANDARD」
– NEAT デザイナー 西野大士編 –
edit&text_Marina Haga / photo_Erina Takahashi
ファッション関係者、アーティストなど、自らのスタイルを持つ人たちが、自分にとって欠かせない定番をファッションアイテムと雑貨から2つピックアップして紹介する新連載「MY DOUBLE STANDARD(マイ ダブル・スタンダード)」。第3回目は、PR会社「にしのや」のディレクターであり、パンツブランド[NEAT(ニート)]のデザイナーとしても活躍する西野大士さんが登場です。
01.[ブルックスブラザーズ]のバックグランドから生まれた、自身のブランド[ニート]のトラウザーズ / 定番歴:3年
「United Arrows(ユナイテッド アローズ)」との別注アイテムをリリースするなど、最近人気上昇中の[ニート]。もともと、“自分の穿きたいパンツを作る”というところからブランドをスタートしただけに、デザイナーの西野さんも週5でパンツを愛用。今では自身のスタイルの核を担う重要なアイテムとなっているそうです。
[ニート]のパンツといえば、シーズン毎の多様な素材使いが特徴的ですが、このパンツの素材やディテールについて紐解いていくと、西野さんのファッションの原点にたどり着きました。
「7年関わっていた[Brooks Brothers(ブルックス ブラザーズ)]が僕のスタイルのすべてのベースになっています。なので、[ニート]で使う素材も基本は[ブルックス ブラザーズ]で使われていたかどうかが基準。素材をヴィンテージに変えたり、大柄にして使ったりアレンジしながら、実はオーセンティックど真ん中のことをやっているんです」
春夏は、シアサッカーやリネン、秋冬はツイードやコーデュロイ、フランネルなどバラエティーが豊富に揃えられたパンツですが、初期から変わらないシルエットにも西野さんのファッションヒストリーに関する秘密がありました。
「23歳の時に、店長に教えてもらいながら[ブルックス ブラザーズ]のスーツを初めてオーダーしたんですが、それが今の[ニート]のベースとなっているインタックパンツです。性格的に気に入ったものをずっと着続ける性分でもあり、そこからパンツは “インタック”一本気。“インタック”にテーパードシルエットが当時から変わらない自分の定番スタイルです」
02.[ブルックスブラザーズ]のカルチャーから学んだサンダル、[ビルケンシュトック]/定番歴:10年
アメリカのファッションカルチャーや文化に多大な影響を与えてきた[ブルックス ブラザーズ]。
「[ブルックス ブラザーズ]はそこにいればその歴史がそのまま分かるくらい、アメリカの文化に触れているブランドなので、それ以外のアメリカファッションのスタンダードも自ずと入ってくるんです」と、西野さんが言うように、在職時には“ブルックスルール”ならぬ、往年のアメリカファッションの定義を先輩からみっちり叩き込まれたとのこと。
[LEVI’S(リーバイス)]なら「501」、トートバックだったら[L.L.Bean(エルエルビーン)]、ポロシャツなら[Ralph Lauren(ラルフローレン)]などの定番アイテムをしっかりと叩き込まれ、足元の定番はオールデンか[New Balance(ニューバランス)]のスニーカー。その中でのサンダルのカテゴリーは[ビルケンシュトック]だったと言います。
「[ビルケンシュトック]といえば「ボストン」と「アリゾナ」が定番だと思うのですが、自分のスタイルにしっくりきたのが「チューリッヒ」だったんです。ビーサンを履いて打ち合わせに行くのは失礼かなと思うのですが、その時のルールが染み付いているせいか今でも「チューリッヒ」だったらいいかなと自らを容認しています」
NEATデザイナー、にしのや ディレクター / 西野大士 パンツブランド[ニート]を手がけながら、「にしのや」ではディレクターとして活躍。先日こちらで紹介した[ナイキ]のスポーツバッグをプライベートで愛用するなど、王道のアメリカファッションをベースにした独自のスタイルに定評が。 http://nishinoya-pr.com