Twitter
Couldn't connect with Twitter
Top

カルチャー感満載のセレクトショップ「BIN」ディレクター、阿久津誠治さんの定番とは

photo_Erina Takahashi / edit&text_Marina Haga

 

ファッション関係者、アーティストなど、自らのスタイルを持つ人たちが、自分にとって欠かせない定番をファッションアイテムと雑貨から2つピックアップして紹介する連載「MY DOUBLE STANDARD(マイ ダブル・スタンダード)」。第35回目は、セレクトショップ「BIN」のディレクター、阿久津誠治さんが登場です。

 

 

1. 新たなカテゴリとして生まれたニットスウェット / 定番歴:6年


遊び心と個性のある物の選びのセンスが面白い「BIN」ディレクターを務める阿久津さん。ベーシックなブランドやアイテムでも、普通の人なら選ばないカラーをチョイスするなど、スタイルに適度なハズしを心得ています。そんな阿久津さんが自身の定番として選んだのは、[THE NERDYS(ザ ナーディーズ)]のニットスウェットでした。

「いわゆるスウェットとニットの間という立ち位置で作ったのですが、着やすいことはもちろんで機能的なんです。度詰めでずっしりと重厚感のある見た目でも、綿100%でエルボーパッチも洗えるレザーを採用していて洗濯機で洗濯が可能。しかもウールニットと違って、型崩れや毛玉の心配もなく、スウェットのような感覚で着られるので、シーズンごとに買い足して秋冬の定番着になっています」

一般的に、黒やグレーなどの無難なカラーを選びがちですが、阿久津さんはそういった物の選び方をしないのも魅力。取材時のオレンジのトップスも然り、[SALOMON(サロモン)]のシューズならブラックでなくグリーンをセレクトするなど、そのカラーセンスも彼のオリジナリティとして成立しています。そんな独自の感覚もあってか、[ザ ナーディーズ]のニットスウェットのカラーバリエーションには、毎シーズン、黒やベージュなどの定番カラーに加えて、ポイントカラーとなるようなユニークな色が登場するのも注目です。

「自分的にはオールブラックでスタイリッシュにキメている方が恥ずかしいので、自然と面白いカラーやちょっとハズしたようなものに目がいくようになりました。それがいつの間にか周りから『お前らしいね』と言われるようになって、なじんできた気がします」

 

ウォッシャブルシープスエードのエルボーパッチがアクセントとして効いている[ザ ナーディーズ]のニットスウェット。

 

2. ずっとコレクションし続けている友人のアート作品 / 定番歴:10年


「BIN」のショップを訪れたことがある人はご存知かもしれませんが、店頭には洋服が並んでいるだけでなく、ショップの一角をギャラリーとして新進気鋭のアーティストをフィーチャーしたり、ライブイベントを開催するなど、アートやカルチャーとの親和性が高いのが他にはないポイント。ここにも阿久津さんらしい少しナードでマニア性のある趣味が反映されていました。

「自分の周りの友人でアートをやっている人の作品をはじめ、昔から身近にあるアートを購入し少しずつコレクションしてきました。それこそ、とんだ林蘭さんが有名になる前から彼女の作品はいくつか持っていたし、家にはまだまだいろんなアーティストの作品を保管しています」

過去の展示会でコンビCDの配布やインストアライブを開催するなど、アートだけでなく音楽、そしてミュージシャンたちを巻き込み、阿久津さんコミュニティから発信されるカルチャー。そこが強く機能するからこそ、お店に並ぶアパレルの価値が高まっているのかもしれません。

 
 


阿久津誠治/ BINディレクター

セレクトショップバイヤーとしてキャリアをスタート。2006年に[EFILEVOL(エフィレボル)]を設立し、そのデザイナーを務め、2012年、中目黒にセレクトショップ「BIN」をオープン。2017年秋冬コレクションを最後に[EFILEVOL]のデザイナーを退任。現在は、「BIN」ディレクターとしてショップ2店の運営や他社デザイン、ディレクション、プロデュース業務を手がけている。現在も、いくつかのプロジェクトを進行中。