イヤホンからギターピックまで。ファッションディレクター、橋爪信之さんの定番とは
ファッション関係者、アーティストなど、自らのスタイルを持つ人たちが、自分にとって欠かせない定番を2つピックアップして紹介する連載「MY DOUBLE STANDARD(マイ ダブル・スタンダード)」。第36回目は、[ユニクロ U]のデザイナーでもおなじみの[クリストフ・ルメール]のブランドディレクターを過去に担当しており、現在は多くのドメスティックブランドのディレクションワークに携わっているファッションディレクター、橋爪信之さんが登場です。
1.美しさに惹かれた[Master&Dynamic(マスターアンドダイナミック)]のワイヤレスイヤホン / 定番暦:4年
ファッションディレクターとして長年に渡ってヨーロッパに滞在し、帰国後は国内のさまざまなアパレルブランドのディレクションに携わる橋爪さん。華やかしいファッションのキャリアの傍らで、プライベートでは、音楽に対して深い興味を開拓してきたとのこと。
「僕にとって洋服は本業でプロだから、一切先入観を持たないようにしているんです。それを入れてしまうと、クライアントが希望していることに対して私情が入ってしまうので。一方で、音楽などそれ以外のことに関しては深掘りをして自分の個性を出すようにしています」
そんな橋爪さんが趣味の分野から紹介してくれたのが、こちらの、ニューヨーク発のオーディオブランド[Master&Dynamic(マスターアンドダイナミック)]。名前を聞いてピンとくる人もいるかもしれないですが、昨年1月にメゾン発のワイヤレスイヤホンとして注目された[Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)]のイヤホンの協業相手です。
「2014年にできたばかりのハイエンドなオーディオブランドなんですが、音の広がりがよく低音から高音までバランスよく出るので耳が疲れずに聴けるんですよね。そして1番の特徴はデザインの美しさ。[ルイ・ヴィトン]はもちろん、[ライカ]や『GQ』とコラボするなどファッションとも親和性があるんですよね」
2.ギターピックはGretsch (グレッチ) 一択 / 定番暦:約25年
10代の頃からギターを弾き続けているという橋爪さん。20代中盤よりスタートしたヨーロッパでの生活を機に、休日はショップを周りオーナーとのやり取りの中で知識を深めていったと言います。また、30代後半では、サーフロックやパンクなど音楽の各ジャンルのディスクガイドを集めて、それを参考に片っ端からレコードを収集。その曲の中で使われている、[フェンダー]や[ギブソン]から数十本のギターを購入し、弾き心地を比べていったそうです。「この徹底した方法で、大体の楽器の特徴が分かるようになった」とのことでした。
そんななか、あらゆるギターを試してもずっと変わらず使い続けているというのが、もうひとつの定番として紹介してくれた[Gretsch (グレッチ) ]のピック。
「今から約25年前に渋谷にあった、プロミュージシャン御用達の某店で見つけたのがきっかけで、グラフィックの可愛らしさと硬さに惹かれて使い始めました。そしたらすごく使い勝手が良くて、そこからこれしか使っていなかったのですが、2019年に製造中止になってしまいまして。その途端に人気が出てきて、手に入らなくなってしまいました」
今回の撮影で持ってきていただいたピックは、残りの大事なストック分だと話す橋爪さん。「今後、これに変わるお気に入りのピックが見つかることに期待です」