-イラストレーター Jonas Claesson編- 連載「MY DOUBLE STANDARD」
edit&text_Marina Haga / photo_Erina Takahashi
ファッション関係者、アーティストなど、自らのスタイルを持つ人たちが、自分にとって欠かせない定番をファッションアイテムと雑貨から2つピックアップして紹介する連載「MY DOUBLE STANDARD(マイ ダブル・スタンダード)」。第15回目は、 動物サーフィンのドローイングを通して自然を表現したアートを描き続けているオーストラリア在住のイラストレーター、Jonas Claesson(ジョナス・クレアッソン)さんが登場です。
1.人間とジンベエザメの共存を描いたジョナスのトレードマーク的イラストのTシャツ / 定番暦:5年前(イラスト)
スウェーデンのストックホルム出身で、現在はオーストラリアを拠点に、身の回りの自然を北欧のルーツを感じさせる温かみのあるタッチで描き続けているジョナスさん。[Patagonia(パタゴニア)]や[KEEN(キーン)]などのアートワークでも知られ、日本でも認知度の高い方ですが、さらに活動の幅を広げ、今春より自身のアートワークをモチーフにしたアパレルコレクションをスタート。その中で最も思い入れがあると自身の定番としてピックアップしたのは、「サーファーとジンベエザメの共存」を描いたアートワークのTシャツでした。
「これは5年前に書いたアートワークで、彼女のステファニーがジンベエザメ好きだったから画として残したものなんだ。ジンベエザメって大きくて人間から恐れられているけれど、プランクトンや小魚しか食べないし、フレンドリーで平和な動物。だからこのアートでは、サーファーとジンベエザメの距離を近づけて意味を持たせて『危険じゃない』とことをみんなに伝えたかったんだよ」
リアルライフであるシドニーでのサーフィンや、キャンプなどのアクティビティを色濃く投影した作風が特徴ですが、イラストでも見られるジョナスの自然に対する愛情は、ナチュラルに抽出される感情から生まれるものだと言います。
「サーフィンで生物を身近に見たり、チルアウトして自然を感じるのは、自分のライフワークの一部であるし、自分にとって重要な行為なんだ。僕のアート活動は、別にオーストラリアの自然に影響された訳ではなくて、自分がイメージしたことを例えば45分だけ集中して描き続けているだけで、ライフスタイルのひとつみたいなものなのかもしれない」
2. 来日したら必ず「東急ハンズ」に買いにいく[ぺんてる]の筆ペン / 定番歴3年
いろいろな太さのペンを使ったり、iPadなどのデジタルな要素とコンビネーションして描くなど、作品によって器用にツールを使い分けているジョナスさんですが、彼の独特のドローイングタッチの鍵をにぎるのが、日本メーカー[ぺんてる]の筆ペンとのこと。
「これは黒のペンの中でも濃度が濃い方で、主に背景を染めるときや植物などを描くときに使うと上手い雰囲気に仕上がる。これはコンピューターでは出せないテクスチャーなんだ。3年前に『東急ハンズ』に行ったときに見つけて以来、僕の作品に欠かせないアートツールの一つとなっているよ。オーストラリアでこれを手に入れるのは難しいから毎回日本に来たときは、このレフィルを10個ぐらい購入して帰るようにしている」
「歴史がある日本の文具が好き」だというだけあって、日本に来る際には「東急ハンズ」をはじめとする画材屋さんを訪れるというジョナスさんですが、中でもお気に入りは品川にある伝統画材ラボ「PIGMET TOKYO(ピグメント トウキョウ)」だと言います。
「ドイツのペンも好きでよく使っているんだけれど、日本の文房具の歴史が面白いと思う。『ピグメントトウキョウ』は世界で一番好きな場所とも言えるかもしれないな(笑)」
JONAS CLAESSON(ジョナス クレアッソン) / イラストレーター スエーデンストックフォルム出身で現在はオーストラリア在住のイラストレーター。現在のホームであるオーストラリアを彷彿させる、サーファーや動物たちが共存する世界を自由な発想で描いている。個人の活動とブランドへのアートワークの提供の他に、今春から自身のアートワークを使ったアパレルコレクションをスタート。ヴィヴィットで温かみのある世界観を落とし込んだTシャツやパーカーなどが幅広いバリエーションで揃っている。 https://www.jonasc.jp https://www.instagram.com/jonas_draws/