CONVERSE ADDICT 10th Anniversary
N.ハリウッド 尾花大輔が語るコンバース アディクト
尾花大輔と[コンバース]、その仕事の流儀。
EM : 尾花さんと[コンバース]は、いつもどのようにコラボレーションの話になっていくのでしょうか。
尾花 : たとえば僕らの方から、「2シーズン先に、こんなテーマを考えているので、オールスターでこんなことしたいんですが、タイミング的にどうですか?」みたいな話から始まるのがほとんど。一切ルーティンワークではないので、今回の最新のコラボモデルにしても、ワークやミリタリーでイージーに脱着できるファスナーのブレードが存在していて、それをかつての[コンバース]にあった「オールスター」の“ニーハイ”モデルで表現できたらという話からスタート。だからこのモデルも全く新しいデザインではなく、過去にあったモデルから生まれたものなんです。
EM : デザインだけでやったものではなく、ちゃんと過去の韻を踏んでいるわけですよね。
尾花 : もちろんさっき言ったように、90年代には突然“スリッポンの「ワンスター」”が出てくることもあったわけですけど、その良し悪しの話じゃなく、それは今僕らがやることではないと思っています。コンバースさんが「90年代みたいに、まったく新しい[コンバース]を作りたい」ということであれば話は別ですが。ただ、いま[アディクト]において我々が課せられているのは、基本は[オールスター]のラインナップ、あとは「ジャックパーセル」をどう現代的な目線でクリエイトするかということだと思っています。
EM : お答えいただくのは難しいかもしれないのですが、これまで尾花さんが手がけた[アディクト]の中で、記憶に残っているものはありますか?
尾花 : 僕はいつも自分のブランドの展示会の前に、今回のコレクションに対する思い入れとかをみんなに話すんですけど、そうするとスタッフから「尾花さんはどれが一番思い入れありますか?」と聞かれます。でも、そんなの全部思い入れがあるので、言えないですよね。それは[コンバース]との仕事に関しても同様です。ただ、“印象深い”といえば、2005年に[コンバース]と[N.ハリ]で作ったモデルを[アディクト]で復刻したことかもしれません。
EM : 2005年あたりは[N.ハリ]が東コレの中心的存在の頃ですよね。
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