Twitter
Couldn't connect with Twitter
Top

プロに聞く洗濯術 
―♯洗濯ブラザーズに聞く、センタクノシカタ―

#洗濯ブラザーズに洗濯の疑問を聞いてみました。

Q1.しばらく着ていない白Tシャツをクローゼットから出したら、黄ばんでいた。黄ばみを防ぐ方法が知りたい!

A.クローゼットにしまう前の洗濯の仕方が大切。ポイントは水の量と洗剤の量

長男:「これは、きちんとすすぎきれてないことが原因かもしれません。黄ばむというのは、汗汚れや人間の皮脂のタンパク質が落ちきれてないまま、長時間経過し酸化して定着してしまった状態。つまり、汚れが落ちていなく、そもそもの洗濯の仕方が間違っているんですね。あと考えられるのは、洗濯層が汚れているからという可能性もあります」

三男:「センタクノシカタで言うと、だいだいの人は、洗濯機の機能にある自動洗濯コースで洗濯していると思うんですが、まずそこが違いまして……。僕らは洗濯機で洗濯するときは水量設定を手動で最大水量にし、かつ初めに水と洗剤を混ぜて溶剤を作ってから洗濯物を入れることを推奨しています。すすぎのときに衣類の汚れと洗剤が流れ出る仕組みなのですが、洗濯時に設定した水量が少ないとそれらが完全に流れ切らず残ってしまう。これが黄ばみの原因になります。洗剤の量に関しても、多ければ汚れ落ちがいいと思っている人がいますが、その逆で入れすぎると洗剤が汚れを守るように働いてしまうので注意が必要です」
《コラム》黄ばみの修復は難しい?
一般的に言われる、衣類に付着した色の抜けやすさは、紺→黒→赤→黄色の順番。つまり、黄ばみの黄色は一番抜けにくいとのこと。無地Tシャツが黄ばんだときは、前処理剤などで黄ばみ部分を予洗いして、洗剤を混ぜた高い温度の水に漬け込んでみると落ちることも。蛍光漂白剤が入った洗剤で漂白するのも一つの手ですが、それだと色を落としているのではなく蛍光塗料で色付けしているだけ。海外のデザイナーブランドでは、“蛍光漂白剤NG”の表記が多いように、皮膚への刺激も強いのでなるべく使用はさけましょう。

 

Q2.黒いパンツを何度か洗濯していると色が抜けて白っぽくなってしまう。対処法はあるの?

A.手洗いをする、ただ一択。

長男:「洗濯機では衣類が回るので遠心力で色が抜けてしまうんですよね。実はこれ、うちの次男が洗濯機を10回まわしたものと手洗いを20回したものを比較したことがありまして。洗濯機の方が色落ちしているにも関わらず、手洗いは全く色が落ちませんでした」

三男:「あとはQ1でも言ったように、水と洗剤を混ぜた溶剤に衣類を入れるという話はここにも通ずる部分があります。通常、洗濯機の自動ボタンを押すと、水が先に衣類に入るじゃないですか。日本の水は軟水で、水だけでも洗浄力が強く、繊維の奥への浸透度も高いので、これだけで衣類の色が抜けたり縮んでしまったりするんですよね。溶剤を作ることと手洗いに変えるだけで、衣類へのダメージが解消されます」

 

Q3.古着屋で買った服を洗濯すると黒い水が出てくるのはなぜ?

A.プロダクトの規定が違うから。洗濯方法に工夫を。

長男:「日本と外国の染色技術が違うのですが、外国のものは国やアイテムによっては染色が甘いものが多いですね。染色堅牢度という、染色の丈夫さの度合いを測るテストが、日本に比べて海外はすごくゆるいんです。汚れが衣類に残ったままの状態で長期間放置されていると繊維が傷んで色が出てしまったり、染色自体が壊れてしまったりするので、色だけでなく、プリントが落ちやすくなってしまっている可能性があります。そういうプロダクトの裏側を知ってしまうとリスクが見えてくるので、海外のアイテムは他と分けて洗うのがオススメです」

 

Q4.シルクやウールなどデリケートなアイテムは実は家で洗濯ができるって本当?

A.クリーニング店目線で見ると、実は家でできることが多い。正しい方法を行えば、家で洗えます。

三男:「服を作っている人がケアの仕方をいまいち分かっていないこともあり、何か起きた際、クレームを防ぐために洗濯表記を厳しくしていることが、“洗濯ができない”という思い込みに繋がっているように思えます。なので正しい洗い方さえ覚えれば、家でも洗えるんです。デリケートな素材の洗濯は行程がポイント。常温の水に洗剤を混ぜて溶剤を作るところまでは、通常と変わらないのですが、①押し洗い→②洗濯機で脱水(ネットに入れ中で衣類が動かないように留める)→③綺麗な水ですすぐ。これを2回繰り返します。大抵の人が②の脱水という項目を飛ばしてしまっていると思いますが、脱水がないと洗剤が残ってしまい硬くなるので注意。ちなみに、使用する洗剤は、生地へのダメージが少ない中性洗剤がいいですね。ニット、セーター、マフラー、ストールなどは自宅でケアすることができると思います。もちろんコートやジャケットなど、仕上げに工夫が必要なもの(アイロン仕上げや乾燥時間など)も自宅でケアできますが、慣れるまでは信頼できるクリーニング店にお任せいただくのが良いです」

詳細
LIVRER yokohama
横浜市都筑区すみれが丘20-2
TEL:045-624-8320
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜日
※オンラインでも購入できます
https://livrer.stores.jp/

BARREL
https://www.barrel-japan.com/

《編集後記》
2回に渡りお送りしてきた洗濯シリーズですが、きっかけは今回洗濯の取材にも出てきたナチュラル洗剤にありました。“ナチュラル=良い物”という固定概念から使ってみたものの、汚れをあまり上手く落とすことができず……。良いものを使ったはずなのに理由が分からず、ふつふつと疑問は募るばかり。そもそも洗濯って何なのかというところに立ち返り、リアルな疑問を解決しながら一緒に学ばせてもらいました。来年の夏こそ白いTシャツを黄ばませないために、正しいやり方をマスターしていこうと思います。(羽賀)