「あの店の定番品」
―土曜日のみ営業するカセットテープ専門店「NEWLD」で探すカセットテープグッズ3選―
話題のニューアドレスから老舗名店まで。あの店のスタンダード・アイテムを厳選。
edit&text_Marina Haga / photo_Kiyono Hattori
高音質な音源「ハイレゾ」が一般的になりつつある中で、密かにブームが再熱しているのがカセットテープ。CDの席巻により90年代にほぼ消滅したメディアでありますが、今のオーディオシステムにはない音の温かみに加え、コンパクトなサイズ感、アートなジャケットなどフィジカルな部分にもスポットが当たっています。そのムーブメントはリスナーだけでなく、ミュージシャンたちにも共鳴。ここ数年、カセットで音楽をリリースするインディーズアーティストも増えているとのこと。
そんなブームを牽引するショップと言えば、[GUCCI(グッチ)]による「GUCCI プレイス」にも選ばれた中目黒の「WALTZ(ワルツ)」も有名ですが、東京スカイツリーの真下、向島にあるカセットテープ専門店「NEWLD」も注目の存在。週1回の営業日には、開店時間からトラックメーカーや音楽マニアで賑わいを見せているコアショップです。今回は、その店主の平田さんにカセットテープグッズの新定番を3つ教えてもらいました。
1. 店頭にセレクトされるインディーズレーベルのカセット、IDEALISM の『Rainy Evening EP』
お店の棚にメインで並んでいるのが、店主独自のセレクトのもと海外から輸入したカセットテープ。海外では4、5年前から数量限定でカセットテープを使って楽曲をリリースするスタイルが流行っていましたが、現在ではさらにケースのバリエーションも増え、よりグラフィックセンスに磨きがかかっている傾向。店主の最近のおすすめは、IDEALISM(イデアリズム)のEP。ピアノにヒップホップのビートを乗せたイージーな曲調は作業用BGMにもおすすめ。
2.日常に花と音楽を添える、カセットテープのフラワーベース
空間に癒しを与えてくれる花と音楽。そんな共通点を活かして作られたのがこちらのカセットテープのフォルムを模したフラワーベース。花束を生けるのは少々抵抗があるという人も、これくらいカジュアルな花瓶ならそのハードルが下がるはず。帰宅途中に見つけた草花を一輪生けるだけでも、季節を感じることができそうです。
3.日本シンセサイザーノイズHOPグループMAMMOTHの世界観をコンパイルしたスペシャルエディション
東京・青山蜂、bar bonoboなどの“小箱”やワタリウム美術館などでもジワジワとブームになりつつある、日本シンセサイザーノイズHOPグループ・MANMMOTH。台湾ツアー前にリリースされた、NEW EP『あなたに夢中』スペシャルエディションは、2曲入りカセットテープの他に、マンモス漫画、Photo ZINE、ドライフラワー、缶バッチ、ステッカーなどがパッケージングされ、これ1つでMAMMOTHの世界を存分に楽しむことができます。
学生の頃はラジオから流れる好きな曲を録音してミックステープを作ったもの。アーティストやアルバムのロゴなどを真似してラベルを書くことが楽しく、そんな思い入れのあるテープが切れた時の絶望感も今では懐かしい思い出です。デジタルデバイスにはない、DIY的な味わい深い体験を思い起こさせてくれるイーストサイドの新店に足を運んでみては。
NEWLD 東京都墨田区向島4-20-16-101 営業時間:毎週土曜12:00-19:00(不定休) http://newld-tapes.tumblr.com