“COME RAIN or COME SHINE.”
雨の街を乗り切るレインウェア10選

梅雨時から夏のゲリラ豪雨、そして晴天の日までカバーする服とは？
英国モノから国内ブランドまで、デザインと機能で選んだ10の最強レインウェア

edit_Yukihisa Takei / text_Makoto Hongo / styling_Akiyoshi Morita / photo_Kengo Shimizu

日進月歩を続ける素材開発。その機能や技術、汎用性などのアップデイトはライフスタイルにおけるリアルクロージングやシーズナブルなファッションシーンでもつとに顕著です。

優れた透湿度、耐水圧、撥水性といったファンクションはフィールドやアウトドアならいざ知らず、都市生活ではともすれば不必要なオーバースペックかもと思われがち。いやいや、これからの梅雨やゲリラ豪雨、台風の季節には備えあれば憂いなし。スタイルもオシャレさも考慮されたハイブリッドでハイパフォーマンスな現代の雨具を厳選コンパイル。

01.THE NORTH FACE / ライトニングコート

折り畳み傘代わりに

コートを選ぶ際、インポートや国内ブランド、それからアウトドアやスポーツメーカーを総じてイチバン支持率が高いと言っても過言ではない［THE NORTH FACE（ザ・ノース・フェイス）］。XS〜XLのユニセックスで展開されている防水コートもその人気モデルのひとつ。シェルは［THE NORTH FACE（ザ・ノース・フェイス）］が独自開発したハイベント®3層構造。これはゴアテックス®が適えるレベルと等しく、耐水圧10,000mm以上の耐水性・透湿性を持つほどハイスペックなのです。タウンユースを想定して、オーバーサイズシルエットやモッズコート風ディテール、ビルトイン仕様のフードを採用。コンパクトに収納できるスタッフサック付きで、折り畳み傘代わりとしても重宝します。重さは280gと超軽量。

こちらのサイトから購入できます。
http://www.goldwin.co.jp/store/ec/pro/disp/1/NP61761

02.HUNTER / オリジナルラバーコーティングハンティングコート

レインブーツだけじゃないんです。

1856年スコットランドの地に創業したノース・ブリティッシュ・ラバー社をルーツに、ゴム製レインブーツで有名な［HUNTER（ハンター）］。防水性が追求されたコレクションは足元だけでなく、レインアウターもバラエティ豊富です。「オリジナルラバーコーティングハンティングコート」は完全防水の定番商品。表地はポリエステルのニット地にラバータッチのコーティングを施し、裏地はスポーツメッシュで着心地をアップデイト。この手の外套ではなかなか完全なウォータープルーフ＆防風仕様が難しいところを、シーム部分すべてにボンディング処理を加えることで、パーフェクトなそれが実現されています。さらに、カラーバリエーションも全8パターンと、ファッションコンシャスなのも嬉しいポイント。

こちらのサイトから購入できます。
https://www.hunterboots.com

03.HACKETT LONDON / レインコート

レイニーシーズンの冠婚葬祭にも？

紳士服業界で「ミスタークラシック」とリスペクトされる方をご存知？　『THE RAKE』や『GQ』など大人ファッション誌がこぞってフィーチャーしていたりしますが、それが1983年にスタートしたモダンジェントルマンスタイルを体現する［HACKETT LONDON（ハケット ロンドン）］の創設者であり、現在のメンズファッション界のリーダーであるジェレミー・ハケットさんです。自身がプロデュースするコレクションはそこここにブリティッシュトラッドらしいエッセンスが散りばめられていて、こちらのレインコートもライトウエイトなナイロンポリエステル素材にもかかわらず、カジュアルな印象よりシックで上品なムードが先行。タイドアップなスーチングの雨具に相応しく、冠婚葬祭にも適いますよ。

こちらのサイトから購入できます。
https://jp.hackett.com/online-store

04.BROOKS ENGLAND / レインケープ“CAMBRIDGE Rain Cape”

雨天の自転車移動のために生まれた英国のグッドデザイン

UK出自が多いレインウエア。それは曇天の気候のゆえ？　ちょっとくらいの雨なら傘をささない国民性だから？　自転車カルチャーがメインストリームにあるせい？など、理由はいろいろありそうですが、［BROOKS ENGLAND（ブルックス イングランド）］が手掛けるウエアライン「JOHN BOULTBEE」のレインケープはサドル製造から始まったブランドならではのバイクライディング時の機能を備えています。1930年代からラインナップされていたスタイルをベースに、素材をゲリラ豪雨にも対応できる10,000㎜防水性を持ち合わせながらも軽量な高機能ナイロンにアップデイト。それから、運転中の水防のためのハンドルストラップやコンパクトに収納できるリアループ用ストラップなどモバイル力もポイントです。

こちらのサイトから購入できます。
http://www.british-made.jp/fs/british/brooks/gd1140

05.CONTEMPO / レインコート

着る人を選ばないレインコートの新機軸。

衣食住の環境や生活における「必然的にシンプル」な日用品を作り出すドメスティックブランドの［YAECA（ヤエカ）］。その展開はシーズナブルというより、一過性ではない、必要に応じてのスタンダードなプロダクトをリリースしているイメージがあるのではないでしょうか。2015年からスタートした［CONTEMPO（コンテンポ）］ラインは、その［ヤエカ］の中でも、都会的な大人のリラックスウエアがカテゴライズされています。2018年春夏シーズンで初めてのデリバリーとなるのが、このレインコート。洗練されたAラインのステンカラーで、シックな光沢感のあるテキスタイルは撥水力に優れたポリウレタン素材。こんな気負わず着られるプレーンなタイプこそ、通勤に営業時の外出に最適です。

06.waltz in the rain / ガーマント

24時間蒸れないアウター

衣類を意味する「ガーメント」と、英国紳士が防寒や雨除けとして羽織っていた「マント」とを組み合わせた造語が「ガーマント」の由来。これは「弁当を忘れても傘を忘れるな」という格言があるほど雨量の多い北陸・福井県で生まれたプロダクトです。素材はグローバルのトップアウトドアメーカーが信頼を寄せる世界一の化学合成繊維の産地である同県で開発され、DWR（耐水性撥水）加工を施したポリエステルシェルに高防水透湿性を持つ2.5レイヤーメンブレンの裏地を厳選。その透湿度は9,500 g/㎡-24h。ちなみに、g/㎡-24hという単位は、生地1㎡あたり24時間で何グラムの水分を放散できるかを表すもの。この数値が高ければ高いほど、蒸れを感じにくいんです。止水ジップやスタッフサック付きなど他機能も満載。

こちらのサイトから購入できます。
http://store.united-arrows.co.jp/shop/ua/goods.html?gid=27805527

07.Traditional Weatherwear / ダービーフード

ブリティッシュトラッドのハイブリッド

あの「マッキントッシュクロス」で知られる［MACKINTOSH（マッキントッシュ）］社のアイデンティティを正統に受け継ぎ、その前身のカンパニーネームを冠して1974年にスタートした［Traditional Weatherwear（トラディショナル ウェザーウェア）］。同ブランドの定番アウターウエアがこの「ダービーフード」。こちらに使われているのはクラシックなゴム引きではなく、現代のライフスタイルで汎用性に秀でたハイテクなポリエステルコットン素材。英国のトラディショナルなスタイルとモダンな機能的ファブリックが融合した、まさにハイブリッドな男前の一着と言えます。両脇には通気性に配慮したベンチレーションホールを配し、フードは取り外し可能になっています。

こちらのサイトから購入できます。
http://shop.tww-uk.com/item/index.cgi?itemSexs=M&cateId=1&season_dir=&mode=escpLeft

08.H.I.P by SOLIDO / ハイストレッチテーラードジャケット、ハイストレッチショートパンツ

梅雨のストレスとは無縁の機能的セットアップ

盛夏であれば上着を脱ぐことはビジネスシーンでも許されますが、梅雨時期だとまだちょっと早い感があってシャツだけになるには憚られます。ところがこれからのシーズンのジャケットスタイルは特に蒸れるし、その雰囲気が打ち合わせや商談相手にも否応なく伝わってしまうもの。そんなストレスを解消するのが、今シーズンからスタートした［H.I.P by SOLIDO（エイチアイピー バイ ソリード）］のハイストレッチテーラード。伸縮性はもちろん、撥水性と吸放湿性に優れていて、外側内側ともに快適な質感を保ってくれます。ノッチドラペルの2つボタンというベーシックなスタイルがボトムスを限定しないのもポイント。掲載したセットアップはショーツバージョンですが、もちろんフルレングスのスラックスも用意されています。シワがつきにくいので、ジェットセッターの方にもオススメです。

こちらのサイトから購入できます。
https://www.strada-est.com/products/list.php?name=H.I.P+SOLIDO

09.N.HOOLYWOOD TEST PRODUCT EXCHANGE SERVICE / ショートスリーブニット

これもミルスペック？ 雨に濡れないTシャツ。

軍の正式採用に発展していくためのテストプロダクトというコンセプトで製作を続ける、N.HOOLYWOOD TEST PRODUCT EXCHANGE SERVICE（N.ハリウッド テスト　プロダクト エクスチェンジサービス）。略して「N.H.TPES」の今季は、米・カリフォルニアのハイウェイを取り締まる「California Highway Patrol」をテーマに、ミリタリーポリスらしいユニフォームのディテールが盛り込まれています。SSニットは水分を完璧に撥水する最新テクノロジーの機能ポリエステル糸でウィービングされていて、さながら梅雨仕様。バックにはオリジナルミルスペックがプリントされています。

こちらのサイトから購入できます。
http://store.n-hoolywood.com/products/list.php?status_id=12

10.alk phenix / クランクパンツ

「歩くための機能服」は雨天時にも大活躍

［alk phenix（アルクフェニックス）］は、ナショナルチームなど多くのプロアスリートをサポートするアウトドア＆スキーウエアメーカー［phenix（フェニックス）］が、都会生活における「歩くための機能服」として2015年から提案するライフスタイルレーベル。ここのボトムスコレクションで毎シーズン人気を誇るのが、ピックアップしたクランクパンツです。マテリアルにはナイロンタスラン2ウェイストレッチタフタ（ナイロン91％×ポリウレタン9％の混紡）を使用して、ストレスフリーなウォーキングを助長。耐久撥水性能も合わせ持っているので、ちょっとした雨にも強い。ウエストはドローコード仕様。ハイパフォーマンスアイテムは雨天の都市のどんなシーンでも活躍してくれます。

こちらのサイトから購入できます。
http://www.alkphenix.com/fs/alkphenix/c/top

《編集後記》
平年より早く九州や沖縄、四国は梅雨入りが発表されました。本州もそろそろ。今年は梅雨前線が停滞しやすく、例年以上に曇りや雨天が続き、雨量も多いとか。……となると、どうしても気分が萎える。通勤、通学、外出が億劫になる。雨の日を楽しく過ごすとかそこまでポジティブには考えていないけれど、そのマイナスのメンタルを少なくともゼロベースに戻せたら。それをまず着るモノからと考えたのがこのレインウエア10選。防水や撥水の高機能があって、ビジネスにも冠婚葬祭にも適う濡れないワードローブで、梅雨空を乗り切れそうな気がしてもらえると嬉しいです（本郷）