SOPH.20周年 特別企画
[ソフ]が生んだニュースタンダード
スマートな機能を持つ[SOPHNET.]の定番
[ソフネット]が東京ファッションにもたらした画期的なものとして、「洗練された機能」を持ち込んだ点が挙げられます。デザインとしてシンプルなものが多いのですが、ただシンプルなだけでなく、その中には必ず機能的な意味を持つものが多いことも特徴です。今回は数ある定番の中でも6つの製品にフォーカスします。
素材、ディティールに隠し味
シワになりにくく、ストレッチ性もある「SOLOTEX®」という生地を使用したジャケットは、[ソフネット]が得意とする機能素材。旅先に持って行ってもスチーム要らずの利便性、そして襟裏や袖裏の裏地使いなどにもこのブランドらしいエッセンスが感じられます。
3 BUTTON JACKET FABRIC BY SOLOTEX® 各¥43,000+TAX
襟、そして袖の内側にはバンダナ生地がランダムに配されています。
クラシックなシルエットの中にも機能素材
消臭効果の高い「備長炭」を練り込むという驚きの発想で生地開発した過去のある同ブランド。こちらのクラシックなロングコート風のガウンシャツにも機能素材の「SOLOTEX®」が採用されています。CHECK GOWN SHIRT FABRIC BY SOLOTEX® ¥35,000+TAX
都市が求める防寒デザインを具現化
都市における保温機能性も[ソフネット]が得意とするゾーンのひとつ。マウンテンパーカにダウンの性能を持ち込んだこちらのプロダクトも、仕様変更を繰り返しているロングセラーモデル。都市が必要とするダウンの分量にすることで、スタイリッシュな見た目を獲得しています。MOUNTAIN DOWN PARKA ¥89,000+TAX
スマートフォンや小銭などをさっと出し入れできる袖部分のジップポケットも、[ソフネット]らしい機能的ディティール。
定番シャツに隠されたディティール
[ソフネット]のアイテムの中でも常に高い人気を誇るのがシャツ。トレンドに合わせてシルエットや丈感なども微調整しながら、時代のスタンダードを体現しています。注目は多くのシャツの胸ポケット内側に隠された「カードポケット」。身軽さを追求するこのブランドならではのディティールです。
(左)OXFORD SIDE ZIP B.D SHIRT ¥24,000+TAX
(右)OXFORD PANEL SLEEVE B.D SHIRT ¥23,000+TAX
ポケット内側にクレジットカードなども収納できるミニポケットも定番ディティール。
マウンテンブーツを都市で履くためのディティール
現在では都市でも愛用者が多いとはいえ、より山のイメージが強かった[DANNER(ダナー)]も[ソフネット]が長年コラボレーションするプロダクト。
DANNER LIGHT ZIP BOOTS各¥55,000+TAX
脱ぎ履きがしやすいように内側にサイドジップを配したことも、都市での機能美を追求する同ブランドらしいディティール。
メガネだって匂わない
消臭性のある天然素材として「備長炭」を服の生地に練り込むという大胆な発想を取り入れた
[ソフネット]。現在では当時よりも消臭性の高い生地があるため服には使われていませんが、福井県鯖江の職人的アイウェアメーカー[金子眼鏡]とのコラボレーションモデルでそのアイデンティティは健在。備長炭 GLASSES 各¥32,000+TAX
清永浩文さんに聞く、[SOPHNET.]
EVERMADE.(以下EM.):[SOPH.]では機能素材や機能的ディティールが早い段階で採用されました。その中で清永さんの印象に残っているものがあればいくつか教えてください。
確かにCOOLMAX®だったり、今当たり前のように使われている機能素材を取り入れたのは早かったと思います。その他には素材でいうと抗菌消臭やリラックス効果のある「備長炭」を取り入れましたね。生地に練りこんだり、ボタンなどにも入れたなぁ。今でも「備長炭」は定番メガネのフレームに取り入れています。機能的ディティールでいうと、左袖口のジップポケットやシャツの胸ポケット内のカードサイズポケットでしょうか。現在のプロダクトにもこれらは落とし込まれていて、今では[SOPHNET.]のアイコンの一つなりましたね。
EM.: そうした発想は、清永さんご自身のどういう部分から引き出されていると思いますか?
自分が究極の面倒臭がり屋なので、汚れがつきにくいとか、夜洗濯したものが翌朝には乾いているとか、楽じゃないですか。また忙しくて時間がなく洋服にかまってられない方々って多いと思うのですが、彼らが負荷なく着られる服を提供したいという思いがありますね。
(次のページでは、uniform experimentが生んだ定番について)