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ロレックス「サブマリーナー」と
クラウン マニアックス 日比崇幸さんとの関係
-「あの人と定番ウォッチ」Vol.1-

幅広い選択の中から“自分らしい1本”が見つかる

数ある「サブマリーナー」のヴィンテージモデルの中から、日比さん自身のコレクションを交え、さまざまな時代から注目のプロダクトをご紹介します。

世界中のコレクターから羨望の眼差しを集めるレアモデル

写真左から/[ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.6200(1954年製)※私物 [ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.5513(1963年製)※私物

日比さんのコレクションでも最も資産性の高い2本がこちら。いずれも希少性がずば抜けて高く、その道のプロでも実物をお目にかかることができない超レアモデルです。

「同じようなアラビアンインデックスのダイヤルですが、それぞれ型番も製造年数もかなり異なります。何年も探してようやく手に入れたのでとても思い入れがありますね」

 

黎明期ならではの魅力があふれる1950年代の個体

写真左から/[ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.6536/1(1958年製)¥11,300,000+TAX、[ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.6536(1955年製)私物

リューズガードがない時代の「サブマリーナー」。ケース径が約37mmと小ぶりなサイズ感も特徴のひとつ。希少性もさることながら、状態の良い個体を見つけるのが難しいことで知られており、文字盤の状態やパーツのオリジナリティひとつで驚くほど価格が変わります。

「写真左のRef.6536/1は文字盤がかなり変色しているのですが、こうしたエイジングの味わいもヴィンテージならではの楽しみです。パーツの希少価値がものすごく高くて、フルオリジナルで見つかることはかなり稀ですね。プロダクトとしては大好物なんですが、最近は服装とのバランスからやや出番が減っています」

 

抜群の人気を誇る、雰囲気と実用性を兼ね備えた傑作

写真左から/[ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.5513(1965年製)※私物、[ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.5512(1962年製)¥7,980,000+TAX

デザインの完成度、ヴィンテージウォッチならではの雰囲気、精度が高いムーブメントと三拍子揃った1960年代の初頭から半ば頃の「サブマリーナー」。この時代は「機械式時計の黄金時代」と呼ばれ、数々の傑作が登場しています。光沢のある手の混んだ作りの文字盤は今の時計にはない雰囲気を醸し出しています。

「黒々とした状態の文字盤も大変人気ですが、個人的には焼けが強い文字盤が好きですね。この時代のロレックスは自動巻きムーブメントの性能がとても高いので普段使いでも問題なく使えます」

 

「シンプル イズ ベスト」を体現する定番モデル

[ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.5513(1979年製)¥1,980,000+TAX

Ref.5513は余計なストイックなデザインが人気のモデル。1962~1990年まで製造されたロングセラーであったことから、バリエーションの多さは随一。なお、こちらの1979年製の個体は最もスタンダートな部類に入ります。

「いろんな『サブマリーナー』を所有してきたからこそ、このモデルの良さを実感します。ムーブメントの精度に優れているから、水や衝撃にさえ気を配れば、現行の時計と同じような感覚で使えます。飽きのこないシンプルなデザインゆえ、どんな服装やシーンでも合わせられる汎用性が◎」

 

Ref.5513と双璧を成す、ヴィンテージの大定番

写真左から/[ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.1680(1969年製)¥6,780,000+TAX、[ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.1680(1973年製)¥2,498,000+TAX

どちらの個体も同じRef.1680ですが、製造時期が微妙に異なることに加え、文字盤やベゼルの経年変化によって、大きな個体差が生まれています。それは価格にも大きく反映されることです。

「茶色に変色した文字盤を持つ初期型のRef.1680は、非常に人気が高いコレクターズアイテムです。そこまでレアさにこだわらないのなら、多少買いやすくなる後期のモデルをおすすめします」

 

ヴィンテージの金無垢仕様は“こなれ感”が何よりの魅力

[ロレックス]の「サブマリーナー」Ref.1680/8(1972年製)※私物

金無垢仕様のRef.1680/8の初期モデル。こちらの青文字盤以外にも黒文字盤が展開。パープルにエイジングした文字盤や希少なブレスレット付きの個体であることが主な評価のポイントです。

「40代に差し掛かってから金無垢の時計を着用する頻度が増えました。ヴィンテージは独特の枯れ感があるため、これみよがしにならないのがいいですね。昔は背伸びをしてつけていたかもしれませんが、歳を重ねるにつれて少しずつ似合うようになってきた気がします(笑)」

 

究極の定番だからこそ、自分らしさにこだわるのが気分

これまで歴代モデルをほぼすべて手に入れたことがあるという、熱狂的なコレクターである日比さん。最後の質問として、「今の気分」について話をうかがいました。

「今現在、10本弱の『サブマリーナー』を持っていますが、まったくつけないモノはありません。ただ、それぞれの着用頻度は、その時の気分や服装でかなり変わります。昔はいかにもな経年変化をしている個体を好んでよくつけていましたが、最近は年相応の身なりを心がけているので、ケースの状態がいいシャキッとした時計であったり、腕元のアクセントになる金無垢などが断然気分です。『サブマリーナー』を選んだ時点で安心感は確約されているので、そこに自分らしさをいかに足すことができるか。そこを意識しながら時計を探すと納得できるテイストの個体が見つかる可能性が高まると思います」

日比崇幸(Takayuki Hibi)

「クラウンマニアックス トウキョウ」オーナー。出版社勤務を経て、フリーランスのエディターとして独立。ファッション誌/広告の制作に携わりつつ、時計蒐集に没頭。2017年には、ヴィンテージロレックス/チューダー専門店「クラウンマニアックス トウキョウ」をオープン。国内外の有力ディーラーやコレクターとのパイプを生かし、価値あるレアモデルを数多く取り扱っている。
INFO
クラウン マニアックス トウキョウ
東京都港区南青山5-17-13 #2F
TEL:03-6260-9913
営業時間: 月~木=アポイント制、金~土=13:00-19:00(不定休)
http://crownmaniax.com/

《編集後記》
日比さんのコレクションを拝見させていただいて、改めて「サブマリーナー」の懐の深さを実感しました。あらゆる時代のプロダクトの中から、じっくりと時間をかけて自分らしい1本を探す。「サブマリーナー」は究極のロングセラーであるからこそ、そんな楽しみ方ができる。前々から購入を検討されている方はもちろん、あまりにも有名な時計だからといって毛嫌いしてしまっている天の邪鬼な方にも(笑)、この機会にぜひ一度手にとっていただけると嬉しいですね。(ライター 戸叶庸之)