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共通テーマは「距離」。『天気の子』公開直前!
新海誠監督の過去作を振り返る 04.死ぬこと=生きること『星を追う子ども』

edit_Makoto Hongo / text_Marina Haga / photo_Nahoko Suzuki

感情が沸き立ち、何かが動き出す永遠不変な夏アニメ

 “秋の思い出”と言えば月並みですが、それが夏の出来事となると過去の情景を鮮明に思い出したり、ノスタルジーに駆られることも。真っ青な空や夕方から夜に変わる時間の空気、庭に咲くひまわりなど、日常に潜む美しい瞬間が切り取られ残像として覚えています。
日本国民にそんなイメージを強めさせる要因のひとつとして上げられるのが、夏アニメ。細田守監督の『時をかける少女』も、ジブリ作品『耳をすませば』や『コクリコ坂』も夏が舞台だったりします。

“夏の日出来事”を描いた多くの作品がある中で、新海誠監督もまた夏に青春と懐古感を結びつける監督の一人。夏に空を見上げると思わず“新海誠っぽい空”を見つけることもあるほど、幻想と写実の狭間を描いた世界観に心を動かされます。ここでは7月19日(金)より公開される『天気の子』に先駆けて、公開日までカウントダウン形式で作品をプレイバック。本人のTwitterによると、7月7日に作業が終了したばかりの出来立てほやほやの最新作を楽しむにあたり、どの作品にも共通するテーマであるキーワード「距離」にも注目を。

01.『ほしのこえ』はこちらから。
02.『雲のむこう、約束の場所』 はこちらから。
03.『秒速5センチメートル』はこちらから。
 
 

04.『星を追う子ども』 / 2011年公開

孤独を感じている人に見てほしい。死を乗り越える物語

聖地:長野県佐久市、小海町
『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』 とSFチックな2作品が続いてきた中で、作風が一新されたのが同作。淡い想いをよせていた少年を失ってしまった少女アスナと、亡き妻を10年間想い続けてきた男モリサキが、死者の復活のために伝説の地下世界アガルタに旅に出るファンタジー。これまでとイラストのテイストもガラリと変わり、建築や背景美術はおろか、ロボット兵まで登場し、ジブリへのオマージュと言われることも多い作品ですが、大きく変化したのは物語の構成にありました。長編映画というカテゴリで公開された、『雲のむこう、約束の場所』や『秒速5センチメートル』はよく見ると場面転換が激しく、まるで個々の短編作品を繋ぎ合わせているかのよう。一方で、『星を追う子ども』はそんな新海監督特有のストーリー構成が無視され、1つの長編作品として完結しているのです。そんな変化に気を付けてみて見るのも新海監督作品ならではの醍醐味。