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シリーズ「定番再考。」 Vol.03 ザ・ノース・フェイスのレイヤリング・アイテム

誰もが知る定番を再検証。第3回は、インナーダウンからフリースまで。知っているようで知らない[THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)]のレイヤリング・アイテムについて。

 

少しずつ肌寒さを感じるようになり、冬支度に新しいダウンジャケットなどの購入を検討している人も多いのではないでしょうか。その最有力候補として防寒性の高いハイスペックダウンが筆頭に上がっている方は少し一考を。もし普通に都会で使うとするならば、そこまで保温性に特化したものは必要でしょうか?

一歩外に出れば寒いけれど、電車の乗り降りやビルに入ることも多い都会において使い勝手がいいのは、レイヤー使いが可能な機能性アウターかもしれません。

そこで今回は、アウトドア人気を超えてシティウェアの定番にもなっている[ザ・ノース・フェイス]のレイヤリング・アイテムで“定番再考”していきます。

※レイヤリングとは、「重ね着」のことを指します。

 

“機能がデザインを決定する” [ザ・ノース・フェイス]の製品哲学

アウトドアブランドとしてスタートした[ザ・ノース・フェイス]ですが、いまこのブランド名を聞けば“ファッションブランド”のイメージを持っている人もいるかもしれないほど、ストリートにおけるこのブランドの支持は絶大になっています。それはアウトドアマン以外にも質の高いプロダクトを求めるファッション人がこのブランドに信頼を寄せて愛用したことや、[Supreme(シュプリーム)]や[COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN(コム デ ギャルソン ジュンヤワタナベ マン)]、[sacai(サカイ)]や[HYKE(ハイク)]といった、トップランナー的ファッションブランドとコラボレーションをしたことも大きく後押ししています。

現在では山だけではなく、フィールドが広がっている[ザ・ノース・フェイス]ですが、あくまでもアウトドアブランドであるという信念のもと、1966年の創業以来常にその機能を追求してきました。デザインありきではなく、“機能がデザインを決定する”という考え方から生まれたプロダクトには必ず機能的意図が含まれています。

今回紹介するレイヤリング・アイテムの数々も、山登りの際に衣服内の蒸れや温度調節するための機能拡張から生まれたものですが、「寒」と「暖」が交互に押し寄せる都会でも、このシステムは有効に機能するのです。

クライマーでもあった[ザ・ノース・フェイス]の創始者、ダグラス・トンプキンスさん。映画『180°SOUTH』でも有名になりました。(写真提供 : ゴールドウイン)

[ザ・ノース・フェイス]をブランドとして拡大させた創業者のハップ・クロップさん。(写真提供 : ゴールドウイン)

 

意外と知られていない「ジップインジップ システム」

Aconcagua Jacket(アコンカグアジャケット)¥31,000+TAX / 生地には引き裂きに強く撥水性を備えたリップストップナイロンを使用し、中綿は遠赤外線効果で保温効果が持続する光電子®ダウンを採用した一着。

[ザ・ノース・フェイス]にはいくつもの定番アイテムがありますが、こちらの「アコンカグアジャケット」もそのひとつ。もちろん外側のアウターとして着用することもできますが、このジャケットの真価はインサレーションとしても着用できる点にあります。専用ファスナーでインナーをアウターに連結できる「ジップインジップ システム」対応なので、下の写真のようにアウターにもピッタリと装着できるのです。

「アコンカグアジャケット」をインナーダウンにして、定番の「Mountain Jacket (マウンテンジャケット)」(¥50,000+TAX)に装着したところ。こちらの「マウンテンジャケット」は1985年リリースの[ザ・ノース・フェイス]のアイコン的ジャケットで今年リニューアルしており、表地は150デニールの「GORE-TEX® products」の2層構造、裏地には軽量で強度を兼ね備えたリップストップナイロンを採用。中間着を合わせても動きやすいゆとりのあるシルエットになっています。

フロントを締めるジップの内側にもうひとつのジップが配されており、「アコンカグアジャケット」のジップにピッタリ装着することができます。

 

また、こちらのフリースも単体でも着用できますが、「ジップインジップ システム」に対応しているモデルです。

ZI Versa Mid Jacket(ジップインバーサミッドジャケット) ¥19,000+TAX /通気性と保温性を兼ね備えたポーラテック素材を使い、同規格のシェルと簡単にジョイントできる「ジップインジップ」仕様。

このフリースも「アコンカグアジャケット」同様、このようにピッタリと装着が可能です。

「マウンテンジャケット」の袖部分でしっかり留められる仕組み。脱ぎ着をする時にも袖が一緒に動かないようになっています。

 

次のページは、「まだまだある、[ザ・ノース・フェイス]のミドラー・アイテム」について