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ファッションと“サステナブル”
MARKAWAREデザイナー
石川俊介インタビュー

そもそも「サステナブル」とは? 

石川さんが現地で撮影したアルゼンチンのオーガニックウールの農場の様子。のびのびとした光景に癒されます。

現時点でサステナブルというキーワードは、やや言葉だけが先行しているきらいもあります。そんな中、研究熱心でもある石川さんは、その語源や歴史、“エコロジー”との違いについても考えています。

「サステナブルがこれまでのキーワードと明確に違うのは、『エコロジーを進めていくと、エコノミーと対立してしまう』面があるということです。エコロジーを究極に進めると、経済や資本主義を敵視するようになりがちなんです。サステナブルは、経済活動も否定せず、その両方を満たしていこうという考え方。ちなみにその言葉が最初に出てきたのは、1987年の国連『環境と開発に関する世界委員会』の中で、当時のノルウェーの首相だったブルントラントさんという人が、『持続可能な開発(サステナブル・デベロップメント)』と言ったのが始まりとされています。現在では17の具体的な目標設定があって、国連はそれを2030年までに達成しようとしているくらい、世界はそこに向かい始めているんです」

石川さんは[マーカウェア]で作るプロダクトに関しては、すべて天然オーガニック素材にシフトし、中でもウールやアルパカなどの素材もアルゼンチンやペルーの現地まで足を運んで、その生産の様子を確かめてから採用するようになりました。

今年の10月にペルーのアルパカ牧場を視察した際に撮影した1枚。「ペルーにおけるアルパカとの歴史は古く、5000年以上と言われています」(石川さん)

「総合的に考えると天然素材の方が素晴らしいことが多いんです。たとえばウールには天然の抗菌作用もあるし、ある程度水分も保つので、肌にも親和性が高い。あとは環境負荷の面ですよね。最近廃棄ペットボトルなども使われるようになりましたが、化学繊維の場合は主に石油を掘ったりして作らなければならないので環境破壊に繋がります。その点、天然素材は毎年収穫が出来るし、自然に生えている草を食べた動物の毛を刈ったり、その動物の肉を食べることもできるので、無駄がないんですよ」

ペルーのアルパカ牧場で毛を刈っている様子。なんだか嬉しそう?(撮影 : 石川さん)

最終ページは「牧場からお店まで見渡す[マーカウェア]の物作り」について