迎春 —EVERMADEスタッフの裏ベストは?
2018年の「デイリースタンダード」を振り返る—
9.「薄いし軽いし、切れ味も最高!」
[Kershaw(カーショー)]の爪切り / 推薦者:スタイリスト 森田晃嘉
ST森田:改めて、爪って大事だなと思いまして。身だしなみの一つとして、やっぱり伸びちゃって汚いのは駄目じゃないですか。しかも出張とか行った時に限って「あっ、ヤバい伸びてる」って気付くんですよ。[カーショー]の爪切りは、薄いし軽いから携帯して使えるなと。しかも切れ味もめちゃくちゃ良いんです。なおかつ、この「KAI」は岐阜に工場があるメーカーなんですが、僕も岐阜出身なのでプッシュしたいところですね(笑)。
武井:なるほど、地元愛(笑)。そういうの大事。
ST森田:[カーショー]自体はアメリカのブランドなんですが、これは「貝印」が特別に監修して作っているみたいですね。ただ爪切りで4千円ってどう思います。高い?
武井:でも爪切りってそんなに買い替えないよね。オレの実家とかも30年前くらいに新聞屋からもらったやつをそのまま使っていたりするからさ。
羽賀:あー、昔確かにノベルティーでありましたね。爪切りって「貰えるもの」でした。
ST森田:じゃあ、長く使うってことを考えると、価格面もクリアってことでいいですか。
[カーショー]の記事はこちらから。
10.「ヘアスタイリング剤からトリートメント、香水代わりにも使えます」
[Leonor Greyl(レオノール グレユ)]のヘアオイル / 推薦者:スタイリスト 稲垣友斗
ST稲垣:これは実際に使っています。毎日使うものだから、割と頻繁に買うものでもあるんですけど、1個5千円ぐらいして割と高めなのですが、一般の3千円ぐらいのものよりも”持ち”も良くて、男らし過ぎないちょっと中世的な香りが結構気に入っています。
本郷:これは確かに朝のヘアスタイリング剤としても使えるし、トリートメント効果もあるし、便利かもしれない。香りもそんなにいやらしくないし。
ST森田:俺、稲垣がこれ付けてる匂い、ちょっと嫌だったんだよな(笑)。
ST稲垣:森田さんが唯一、嫌がる人でしたよ。
本郷:フランスのブランドでオーガニックのものって珍しいよね。やはりフランスは香りの国だからか、香りへのこだわりを一番感じるアイテムな気がする。少し前までは日本に正規で卸されてなくて、ヘアメイクさんとかは海外から取り寄せて使っていたものだったけど、ここ10年ぐらいで正規で輸入されるようになって、新宿の伊勢丹とかAmazonでも見るし、買いやすくなったよ。
武井:そう聞くとちょっと欲しくなる。プロが使っている系のレコメンドに弱いんだ(笑)
羽賀:これ、寒いとすぐオイルがロウのように固まるじゃないですか。特に今の時期とかはどうしていますか。
本郷:天然由来成分のみで作られているからね。使いたい朝とかに固まっていると、割と戻すのに時間がかかるのよ。洗面器にお湯を張って戻すしかないよね。
ST稲垣:半分しか戻ってないのに使うと、濃度が薄そうですよね。
本郷:「粉のポカリ」みたいに(笑)。だから全部解けた時じゃないと使いたくないよね。
[レオノール グレユ]の記事はこちらから。
11.「モードでもストリートでも、職人系の服が好きな人にも合う」
[ANATOMICA(アナトミカ)]のコート/ 推薦者:スタイリスト 井田信之
ST井田(信):自分の買い物の趣向的に、長年着られて意外とベタなものの方が買うなって思って。ただ、ベタなアイテムも欲しいんですけど、その中にちょっとした新しさも欲しいなってなった時に、「[アナトミカ]のコートがいいんじゃないか」って思いました。これは60年代以降の[Burberry(バーバリー)]のコートが原型なんですが、ディレクターのピエールが作りたいって直接[バーバリー]にお願いしに行ったらしいんですよ。でも断られて[アナトミカ]で作ろうってなったらしいですね。
本郷:毎年、生地を変えてリリースされているから、ずっと続く定番ものだけど、ちゃんとアップデイトされているのも良いよね。
ST井田(信):シルエットもAラインの少しルーズな感じが良いです。でも、デザインブランドでもないし、オーセンティックなブランドにカテゴライズされる訳でもないし、そのどっち付かずなところもグッときますね。
ST稲垣:僕も着ている人をよく街で見るようになりました。
ST井田(信):そうなんですよ。その広がり方もまた新定番っぽい。ヴィンテージの[バーバリー]のコートは着ている人も多いけど、これくらいのテンションで着られるアイテムもありなのかなと。
[アナトミカ]の記事はこちらから。
12.「洋服や時計はマニアックやトレンディでいいけれど、アクセサリーはオーセンティックが良いことに気付いた」
[TIFFANY & CO.(ティファニー)]のブレスレット / 推薦者:スタイリスト 井田正明
ST井田(正):これは自分でリングやブレスレッドを買おうとした時に、ドメスティックからメゾンまでいろんなブランドを見に行ったんですけど、アクセサリーならこういう”老舗の定番”を着けた方が良いという結論に辿り着いたと言いますか。時計とかは少しマニアックなものを選んだり、服は新しかったりトレンディでも良いと思うんですが、アクセサリーは違った。自分で着けてもそうだし、他の人の着けている姿を見てもその方が気になるなと思ったんです。
本郷:確かにその方がパワーがあるんだよね。
武井:清水くんが最近しているブレスレット気になってた。(腕に[エルメス]の「シューヌ・ダンクル」を着けている)
P清水:この形のものは今、売っていないんですよ。俺のヴィンテージのヘルメット欲しいって奴がいて、それと交換したんですけど。
ST井田(信):僕も清水さんが着けているのどこのやつだろうってずっと気になっていたんです。
本郷:結局、象徴的なものを着けないと”アクセサリー”にならないってことだよね。で、「その象徴的なものって何だ」って探していくと、歴史があったりとか、ハイジュエリーブランドやメゾンだったりとか。目立たない方が上品なんじゃなくて、目立ち方が上品だから良いんだよな。
武井:これ、すごくタイムリーな話。オレ、時計は[G-SHOCK]で十分というか、かなり利便性優先なんだけど、年齢的にそろそろ良い時計していた方がいい、みたいなことってあるじゃない? でもこの年齢の腕元にしては、あまりに説得力がないかもなってなって、右腕に着ける良いものを欲しいと思い始めた。それもあってブレスレットの特集をやった訳なんだけどさ。
本郷:武井さん買うとしたら、どれにするの?
ST井田(正):僕のイメージとしては、男っぽい人が[エルメス]で、ちょっと中世的な人は[ティファニー]を選ぶ気がしますね。
武井:俺はどっち?
ST井田(正):完全に男っぽいので、[エルメス]かもしれません(笑)。
[ティファニー]の記事はこちらから。
13.「しまったままのポスターやポストカードを有効活用したい」
[MOEBE(ムーベ)]のフレーム / 推薦者:編集 羽賀まり奈
羽賀: [オーバンド]の話じゃないですが、私の場合は武井さんと逆で、不必要に物を集めてしまうんです。例えばCDとかを買うときも、ポスター付きの限定版を選んでしまったりとか。そういう感じで家にはポスターとかポストカードとか紙ものが結構あるんですが、それを壁に直接貼ってしまうと、紙がよれてしまったり、ずっと貼っていると色が退色してくるんですね。気に入っているものがそうなるとすごくショックなのですが、額装するほどでもないですし、「このポスターたちどうしよう」って思っていたんです。そんな時に、この簡易的な作りの[ムーベ]のフレームはすごく使えるなと。
本郷:これ、ホールド力はどのぐらいなの?
ST稲垣:実際に撮影の時に絵を入れたのですが、ゴムが結構強くて圧がある気がしますね。
羽賀:あとは地が透明というのも良いなって。普通フレームって地の板が入っているじゃないですか。これが透明だとライトな感じで壁に掛けられて仰々しくならない。ポスター以外にもポストカードを使ってフレームをコラージュすることも出来るみたいなので、そういうこともやってみたいなと思いました。
武井:羽賀ちゃんの「やってみたい」は、だいたい「多分やらない」やつだからな(笑)。
[ムーベ]の記事はこちらから。
14.「本当にこれ以外ない」
[YOSEMITE CAMERA STRAP(ヨセミテ カメラ ストラップ)]のカメラストラップ / 推薦者:フォトグラファー 清水健吾
P清水:これもずっと使っているものなんだけど、ストラップに裏表がないんです。初めて使った時は、iPhoneの充電ケーブルの裏表が無くなった時と同じぐらい衝撃を受けた。カメラストラップって、だいたい普通は太いんだけど、これは細いのに強度があって使いやすい。俺のカメラって他の人が使っているものよりも重い組み合わせだけど、それにも十分耐えてくれる。
ST稲垣:留め具のところが2019年春夏シーズンのやつからアップデイトされて、少し変わったみたいですよ。
P清水:えっ、これにシーズンあるの?
ST森田:コンパクトカメラにも通せるようなものが出来たらしいです。
P清水:なるほど。俺も作りたいカメラグッズがあるんだよね。機材関係のグッズってまだかゆいところだらけで。
ST森田:清水くんが作るものはちょっと面白そうだから気になる。
[ヨセミテ カメラ ストラップ]の記事はこちらから。
15.「取り入れると生活をアップデイト出来るのも新定番の条件の一つ」
[SMYTHSON(スマイソン)]のトラベルウォッチロール / 推薦者:編集 本郷誠
本郷:これは俺の「欲しいシリーズ」(笑)。あると絶対便利なんだけど、二の足を踏んでいるのは、一応トラベルケースにもかかわらず高いんだよな。そんなにジェットセッターでもないし、どっちかって言うと家で保管用に欲しいんだけど。
P清水:俺はカメラとフィルムと時計は、カメラの保湿庫に置いている。
本郷:俺はアンティークのものとかはないから、そんなに真面目に収納しなくても良いんだけど、どこに置けば良いか分からなくて。しかもこれ、ちょっと高くない? まぁクロコダイルの型押しだから仕方ないんだろうけど。
P清水:でも、これに近いものってないよね。プラスチックナイロンみたいなやつか、あとはすごくクラシックなやつかの両極で。
本郷:そう。これくらいのシックさとノーブルな雰囲気のものってないんだよ。見た目、なんか良い時計が入ってそうじゃん。入れ物だけでテンションが上がるというか。
P清水:普段使っていなかったけど、取り入れるとほんの少し生活をアップデイト出来るっていうのが“新定番”なんじゃない? 使うことでストレスが軽減されるとかね。
本郷:買う前にそういうのを感じることが出来たらいいけど、それが分かるのって結局買った後だからな。住み心地が住んでみなきゃ分からないように。だから伝えるのって難しいよね。武井さんが最近モノをあんまり買わなくなったのは、割ともう定番が揃っちゃったからじゃないですかね?
武井:いや、最近それ考えていたんだけど、“俺自身”がそんなにモノが要らない気分になったというだけ。でも、凄いもの見つけたら人にそれを伝えたいっていう点では、以前より熱量があるんだけど。
[スマイソン]の記事はこちらから。
16.「今年の夏は絶対買うつもり!?」
[GENBEI(ゲンベイ)]のビーチサンダル / 推薦者:編集長 武井幸久
武井:去年は買えなかったけど、今年の夏に買いたいと思う。これ、昔から存在は知っていたけど、実は「世界初のビーチサンダル」なんだって。でも自分もそうだったけど、意外と知られてない。それもちゃんとテキストに書いたのに、大して反応なかったのが悔しい(笑)。
羽賀:あれを公開した時期、夏の終わりでしたからね。タイミングが……。
武井:そう。実際夏も終わりかけみたいなタイミングだったから、今からは使う機会ないなと思って買わなかったけど、来年絶対買おうと思ってた(笑)。
ST井田(正):「来年買うリスト」って某誌の企画みたいですね(笑)。
ST稲垣:僕はこれを2足買ったんですが、ウェブを見ていると、鼻緒とボディの部分で色の組み合わせが出来るみたいで。
武井:「NIKEiD」みたいなことが出来るってこと?
ST稲垣:まさにビーサンのiDですね。
ST井田(信):ガッキー(稲垣)は何色にしたの?
ST稲垣:ベタに黒×黒と黒×茶。攻めないです。
武井:湘南の方とかに行ったりすると、現地の人って相当薄くなるまで履き潰してるでしょ。あれがカッコいいんだよね。スタイル。ビーサンの元祖だと聞くと、この文化は残さなければならないなと思うよ。
P清水:日本が元祖とは。そんなにビーチ文化なくないですか?
武井:葉山の辺りで作られたビーサン文化が、ブラジルとかハワイとかにも広がっていったわけでしょ。それ考えると凄いなって。もっと注目されるべきだよ。
[げんべい]の記事はこちらから。
《編集後記》
昨年6月にローンチした『エバーメイド』が、毎日更新(日曜はまとめ動画のWEEKLY STANDARD)している「DAIRY STANDARD」。実はリサーチ段階ではもっと大量にあるのですが、それを断腸の思いで削って厳選掲載しています。スタッフは集まったモノについて雑談しながら撮影をするのですが、これが結構楽しい。「欲しい」「自分は要らない」「ここがもっとこうだったら欲しい」。みんな好き勝手言っていますが、その会話の中から次に探すべきものを無意識にインプットしています。今回は普段は記事にできない、そんな“現場感”をお伝えしたいと思い新春企画にいたしました。今年はどんなニュースタンダードをお伝えできるかスタッフ自身もワクワクしています。本年も『エバーメイド』をよろしくお願いいたします。(編集長 武井)